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転職するとき、多くの人が気にする数字がある。
年収。
500万円から600万円。
600万円から800万円。
数字だけ見れば、上がった方がいいに決まっている。
転職サイトを見ても、求人票を見ても、「年収アップ」という言葉はやたらと目に入る。
でも、少し考えてみたい。
年収が上がったら、その転職は本当に成功なのだろうか。
たとえば、年収500万円だった人が転職して650万円になったとする。
150万円アップ。
月に直せば、それなりに大きい。
友人に話せば「転職してよかったじゃん」と言われるだろうし、自分でもちょっと誇らしいかもしれない。
ただ、その代わりに残業が毎月20時間から60時間になったらどうだろう。
リモート勤務がなくなって、毎日片道1時間かけて出社するようになったら。
上司との相性が最悪で、日曜の夕方になるたびに仕事のことを考えて憂鬱になるようになったら。
それでも「年収150万円アップだから成功」と言い切れるだろうか。
逆のケースもある。
年収700万円から650万円に下がった。
でも残業はほぼなくなった。
好きだった仕事に戻れた。
家族との時間が増えた。
休日に仕事のSlackを開かなくてよくなった。
数字だけで見れば年収ダウン。
でも本人は「転職して本当によかった」と思っているかもしれない。
このあたりから、転職の成功というものが少し怪しくなってくる。
給料は大事。でも、給料だけでは仕事は分からない
もちろん、年収は大事だ。
生活費も家賃も教育費も、だいたいお金で払う。
「お金よりやりがい」と綺麗なことを言っても、給料が低すぎれば仕事を続けること自体が難しくなる。
だから、年収を軽視する必要はない。
ただ、給与明細には載っていないものも多い。
朝起きたときの気分。
上司との関係。
職場の空気。
残業時間。
仕事の面白さ。
将来ここに居続けたいと思えるか。
給与明細を見れば、その月にいくらもらったかは分かる。
でも、その給料をもらうために何を差し出しているかまでは書いていない。
ここは結構重要だと思う。
年収800万円の仕事が、年収500万円の仕事より必ず幸せとは限らない。
一方で、同じ仕事内容、同じ労働時間なら、500万円より800万円の方がいい。
問題は、給料だけを切り取って比較してしまうことだ。
「時給」で考えると見え方が変わる
少し乱暴だけれど、仕事を「時間」で考えてみると分かりやすい。
年収600万円で毎日ほぼ定時に帰れる人と、年収750万円だけれど毎晩遅くまで働いている人。
額面だけなら後者が上だ。
でも、自由に使える時間まで含めて考えると、話は変わってくる。
さらに通勤時間、休日出勤、仕事後の連絡、精神的な負担まで加えると、単純な年収比較はますます難しくなる。
もちろん人生を全部時給換算する必要はない。
ただ、
「年収はいくら増えるのか」だけではなく、「そのお金と引き換えに何が増えるのか」
を見るのは大事だと思う。
転職で年収が上がること自体は、かなりいい
ここまで書くと「年収なんて気にするな」と言っているように見えるかもしれない。
逆だ。
同じような仕事内容で、働く時間も変わらず、年収が上がるならかなりいい。
むしろ積極的に検討していいと思う。
会社が変わっただけで年収が100万円、200万円上がることもある。
それは、自分の能力が一夜にして上がったわけではない。
単純に、自分の労働に付けられる値段が会社によって違ったということだ。
ここは面白い。
自分では「年収500万円くらいの人間」と思っていても、別の会社では700万円で採用されることがある。
逆もある。
給料は、その人の絶対的な価値を表しているわけではない。
会社や業界やタイミングによって、かなり変わる。
転職の成功は、たぶん給与明細だけでは決められない
明細屋では、いろいろな人の給与明細を見ていく。
年収400万円の人もいるだろうし、1,000万円を超える人もいるだろう。
数字だけ見れば、高い人の方が目立つ。
正直、人の高い給料を見るのは面白い。
「そんなにもらってるの?」と思うこともある。
でも、本当に知りたいのはその先だ。
どうやってその会社に入ったのか。
何年働いたのか。
仕事内容は何なのか。
残業はあるのか。
給料に満足しているのか。
辞めたいと思ったことはあるのか。
そして、
今の会社への転職を、他人にも勧めるのか。
そこまで聞いて、初めて給与明細の数字に意味が出てくる。
年収が上がれば、転職は成功なのか。
たぶん答えは、
「上がった方がいい。でも、それだけでは決められない。」
なのだと思う。
給与明細は仕事を見るための、とても分かりやすい数字だ。
でも、そこに書かれていないものまで含めて見ると、仕事はもっと面白い。
年収だけでなく、仕事内容や残業、働き方まで含めて考えると、転職の「成功」は人によって違いま
す。条件を見比べながら、自分に合う働き方を探したい人は転職サービスを使ってみるのも一つです。
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